長引くコロナ禍を背景として、世界で健康的なライフスタイルへの関心が高まっている。ここ香港では、体に優しいウェルネス・ドリンクを提供するサービス「Lify Wellness」が人気を集めている。
Lify Wellness Herbal Brewerで、高麗人参と鉄観音茶などをブレンドした「Boost」を抽出しているところ。マシン上部のパネルは、ポットで茶葉が動く「ジャンピング」などの抽出プロセスをイメージしてLED表示が変わる仕組みで、茶の愛好家が満足感を持つように配慮している(写真:筆者が撮影、以下同)
Lify Wellnessは、新世代ハーブのCBD(Cannabidiol)から、香港伝統のハーブとも言えるTCM(Traditional Chinese Medicine)こと漢方の薬剤、そしてインドのアーユルヴェーダやヨーロッパ各地に伝わる植物療法までをカバーしている。全てを同じ土俵で科学的に分析してブレンドし、「ティー・ディスク」と呼ばれるカプセルにし、専用マシンを使い抽出する。美味しさと効用を最大限に引き出すウェルネス・ドリンクのシステムだ。
専用マシンのLify Wellness Herbal BrewerにはWiFi機能があり、専用アプリと連動して、好みや体調などに合わせていれ方を調整できる。IoTやAIを駆使した高機能性が、次世代のティー・マシンとして注目を集めている。
得意分野の異なる姉妹による起業
Lify Wellnessの創業者は、ラグジュアリーブランドのマーケティング職だったメイジング・リー氏と、メイジング氏の妹でインダストリアル・デザイナーのコニー・リー氏。2013年、日常生活を豊かに彩る分野のプロである姉と、科学分野に強い妹のコンビで、機能性と洗練さを併せ持つ製品をつくるデザイン・コンサルタント会社を設立。イタリアilly社のコーヒーカプセルマシンや、スマートジューサーなど、食とデザインと科学を組み合わせた製品の開発経験を積んでいた。
2017年初頭、女性ホルモンの乱れからの体調不良に悩んでいたメイジング氏が、漢方の婦人科系に特化したコースを受講し、自分の体のバランスをどのように取り戻せば良いかを学んだ。それがきっかけで、漢方の素晴らしさに改めて魅了されるとともに、新たなビジネスアイデアが浮かぶことになった。
「世界には様々な伝統的植物療法があるものの、一般の人には難解で、使いこなすことが難しい。コニーとのブレストによって、体調に合わせた機能的なウェルネス・ドリンクを瞬時につくることができる、Lify Wellnessの開発を決意した」とメイジング氏。
「漢方といえば神秘的というイメージを払拭して、最先端技術やデータ志向のスマホアプリを駆使しながら、ユーザー・フレンドリーな機器を開発して、その効用を効率よく提供したい、と考えた。食材を組み合わせ、最大限の力を発揮させるイノベーションを導くために、漢方医師、中国茶マスター、ドイツの植物療法研究家など、製品開発チームには幅広い分野のエキスパートに参加してもらい、機能性+美味しさのバランスを追求した」とコニー氏。同年に「Lify Wellness」を発表した。
香港サイエンス・パークにある研究所にメイジング氏とコニー氏を訪ねて、研究開発の様子や、その非常に考え抜かれた機能性、最先端ハーブを取り入れたラインナップなどを、さらに詳しく伺った。
古今のハーブをブレンド、新世代ウェルネス・ドリンクに注目 - 新公民連携最前線
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