「ぼっちに厳しすぎん?」「ぼっち涙」。こんな反応とともにSNSで話題になっている自動販売機がある。オフィスに設置された自販機に社員2人で同時に社員証をかざすと、コーヒーやお茶などのソフトドリンクが2人分タダになるという画期的な自販機。その名も「社長のおごり自販機」だ。“ぼっち”とは独りぼっちの略語で、ネット上では孤独な身の上を強調する文脈でよく用いられる。一緒に社員証をかざしてくれる同僚がいない場合は…。飲料ではなく、涙を飲むことになるのではないかと心配している人もいるようだ。
自販機が会話のきっかけに
「気軽に仲間を誘って利用していただきたいという思いから、分かりやすい名前にしました」と語るのは、自販機を開発したサントリー食品インターナショナルの担当者。注目したのは新型コロナウイルス禍によりリモートワークや時差出勤が一気に普及する一方で、職場内でのコミュニケーションが減ったと指摘される現象だ。この自販機には職場内のコミュニケーションを創出するツールとしての狙いがあるという。
法人向けのサービスでは、ドリンク代は自販機が設置されている企業が負担する。同社のオフィスに試験的に自販機を設置した際、「社長、ごちそうさまです!」と話していた社員がいたことをヒントに「社長のおごり」と命名した。1人が1日に受け取ることができるドリンクの本数や無料になる時間や曜日を指定でき、設置する場所によっては、「工場長のおごり」と名称を変えることもできる。
文具大手のコクヨのオフィスで実証実験を行い、社員を対象にしたアンケートでは97.8%が「自販機がコミュニケーションのきっかけになった」と回答した。「ワクワクさと達成感があり、とても楽しかった。いろんな人を誘ってやってみたい」といった前向きな反応が寄せられたという。
現実(リアル)生活が充実している人たちを意味する「リア充」ならまだしも、「ぼっちは誰か人間関係が浮き彫りになる」といったSNS上での懸念について、サントリー食品インターナショナルの開発担当者はどう受け止めているのだろうか。
「このサービスをきっかけに、新しいコミュニケーションが生まれればうれしいです」
担当者は改めてこう強調した。同社は来年末までに首都圏の企業100社でこの自販機の導入を目指しているというが、はたして“ぼっち社員”を救う新たなコミュニケーションツールとなるか。
「ぼっち社員」にはツライ? 2人揃ってドリンク無料の自販機はぼっちの敵か味方か【SankeiBiz編集部】 - SankeiBiz
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