富士市神谷で代々お茶を生産する株式会社「水野製茶」の代表、水野公孝さん(35)を訪ねた。

水野さんは10代の頃、農繁期に家の農作業を多少手伝う程度で、漠然と将来は家業を継ぐと考えていた。「20歳の時に親の勧めで福岡県八女市の茶農家へ研修に行き、そこで一から学んだことがきっかけかな」と、お茶について真剣に考え始めた時のことを笑顔で話してくれた。2年間の研修で農業に対する意識が変わり、「お茶で生きていく」と決心したそうだ。就農当初は失敗も多かったが、一連の農作業を振り返り、少しずつ改善していくことで着実に力を付けてきた。
水野さんは今、ドリンク用の茶の生産に取り組んでいる。リーフ茶需要の減少による茶価の低迷など、県内の茶農家を取り巻く環境が厳しくなり、水野さんも経営方針の転換を迫られることになったからだ。試行錯誤の結果、「安定した収益が見込める」とドリンク用の原料茶生産に活路を見いだした。
それに伴って茶の生産方法を見直し、作業の効率化を進め、地域の耕作者がいなくなった茶園を借りて規模拡大にも取り組んでいる。さらに改植も行い、乗用型摘採機の使用に適した区画への整備も進めている。現在、富士市江尾地区で大規模な茶園造成の計画が進められていて、その計画にも積極的に参画している。
「農業は自然相手の仕事。どんなに計画を見直しても100パーセントの出来になることはないが、その分やりがいがある」と話す水野さん。将来はドリンク用原料の生産に加えて、自社店舗での小売りにも力を入れていくという。「将来、息子が成長したとき、家業を継ぎたいと思ってもらえるように、息子に対して恥ずかしくないような仕事をしたい」と力強く語ってくれた。
(青年農業士会富士支部)
生産方法を見直し規模拡大 ドリンク用の原料茶生産 水野公孝さん(富士市)【自然の仕事人】|あなたの静岡新聞 - @S[アットエス] by 静岡新聞
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