ウコンが新たな市場形成に向けて動き出している。抜群の素材認知度を強みに、エビデンスの充実化と海外での利用実績、機能性表示食品の登場など、新たな需要創造の下地が整った。健康食品として不動の地位を築くウコンではあるが、この1年、市場の中核を担うドリンク製品がコロナ禍で苦戦を強いられた。緊急事態宣言解除を受け、年末年始のハイシーズンに向けて、ハウスウェルネスフーズ(ウコンの力)、ゼリア新薬工業(ヘパリーゼ)の2強をはじめ、ドリンク各社の攻勢が始まる。 ■ウコンドリンク市場にコロナ直撃 市場規模200億円を割り込む 健康食品としてウコンの市場形成が本格化したのは98年前後。その後、沖縄・琉球ブームを追い風に、サプリメント、飲料、茶から一般食品まで、多種多様なウコン製品が上市され、02年には市場規模は100億円(本紙推計)に到達した。その後、04年の『ウコンの力』の上市を機に、相次ぐ大手参入、販売チャネルの拡大、高単価化が市場を押し上げ、ドリンク製品を中心に、300億円市場を形成するに至った。 今回の集計では、ウコンの市場規模は200億円を割る結果に。市場の7割を占めるドリンク製品の苦戦が目立った。ドリンク製品は、「ノンアルコール飲料の台頭」「飲酒人口の減少・飲酒のライト化」「(オルニチン、アラニンなど)新素材の台頭」を背景に、ここ数年市場が伸び止まっていたこともあるが、とりわけ今年はコロナウイルス感染拡大の影響が大きい。外食・飲酒機会の減少は、ハウスウェルネスフーズ(ウコンの力)、ゼリア新薬工業(ヘパリーゼ)の2強をはじめ、ウコンドリンクの売上に大打撃を与えた。 フロントランナーであるハウスウェルネスフーズでは、「飲酒機会と来店客数の減少を要因に、コンビニ、スーパーマーケットでの売上減は避けられなかった。今年に入り、量販店におけるまとめ買いニーズが回復しているほか、緊急事態宣言解除後は、全体的に需要が戻りつつある」とし、年末年始に向けて、テレビCMやサンプリングを強化する。新商品『ウコンの力 超MAX』のプロモーションや、『ウコンの力 顆粒』では“ウコンの新しい飲み方提案”を進めていく。 ゼリア新薬工業では、「コンビニ向けヘパリーゼW群の売上は半減した。固形剤は比較的順調に推移しており、店舗によっては通販で“夜の飲み”の提案商品として販売に力をいれているケースもある」としている。 ■機能性表示食品も登場 日本と異なり、海外市場におけるウコンの最もポピュラーな機能性は抗炎症作用。ウコンの主要成分であるクルクミンは、本場インドでは“天然のステロイド”と称され、欧米では、抗炎症作用を活用した美容・アンチエイジング、ジョイントサポートサプリメントが数多く流通している。 機能性表示食品の開発も進んでいる。受理企業は、「肝機能」(関与成分・クルクミン、ビサクロン)ではハウスウェルネスフーズ、脳機能をテーマとした「記憶力の維持」(関与成分・クルクミン)ではセラバリューズや小林製薬が代表的。前者は、アルコール対策・肝機能改善など、従来訴求の裏付けに。後者は、新たな市場形成の起爆剤としての期待が大きい。 現在、「関節」「ジョイントサポート」に関して、複数の原料サプライヤーが機能性表示食品に届出中という情報もあり、ウコン(クルクミン)のヘルスクレームは今後も拡大していくことが予想される。 ハウスウェルネスフーズでは、「クルクミン&ビサクロン」をはじめ、肝機能対策表示で複数の商品が受理されている。注目は、秋ウコンエキスを関与成分(指標成分:ビサクロン、デヒドロジンゲロン)に受理された『ゴールデンヴェール』『ラクシテ』。『ゴールデンヴェール』は、錠剤タイプ初のエキス受理品として話題を呼んだ。表示は「秋ウコンエキスには、肌の水分保持に役立ち、肌の乾燥を緩和する機能があることが報告されています」というもの。『ラクシテ』は「疲労感軽減」表示で受理されている。 セラバリューズでは、「記憶力の維持」表示が可能な機能性表示対応素材として、『セラクルミン』の原料供給を本格化している。「精度向上を目的に再届出中の“肝機能酵素の数値改善”については年内に受理される見通し」としており、ダブルヘルスクレーム表示への対応も準備中だ。
ウコン市場、外食自粛の影響大 ドリンク苦戦(健康産業新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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